幼い頃から、両親を中心として先生や関わる人たちが、社会的に受け入れられるように育成していきます。多くの点でこれは良いことですが、その訓練の一環として、自分の欲求や願望を無視することを教えます。そして、社会で生活するための良い生徒であれば、自分の欲求を抑えることが上手になります。
とはいえ、誰にでも欲求はあります。
もともと繊細な人は、いい人でいるために自分の欲求を否定し続けることに慣れてしまっていますし、人を喜ばせるために融通を利かせることもできません。
アサーティブネスの能力を鍛える
しかし、欲求はいつかは表面化するものです。
自分の欲求を効果的かつ一貫して相手に伝える方法を知らないと、自分の欲求が満たされないことの積み重ねが、時に攻撃性として表出されます。
自分の欲求を無視すると、その積み重ねが原因で暴発につながることがよくあります。
しかし、自分の中に怒りが湧き上がってくる前に、アサーティブになるための方法を知っておけば、自分自身や大切な人を苦しめずに済みます。
アサーティブネス(自己主張)の能力を鍛えるために実践できる方法を紹介します。
自分の欲求を認識する
自分の欲求を認識し、まず自分と向き合って自分の面倒を見るようにしましょう。
欲求は他の誰にも責任がありません。
お腹が空いたら食べる、のどが渇いたら飲む、というように欲求を満たすということです。
正直に自分の欲求を伝える
これはとても勇気のいることです。
子どものころに受けた教育の中で、自分の欲求を正直に伝えてはいけないと教えられたかもしれません。
社会的条件付けによって、自分の欲求を伝えても、どうせ誰も聞いてくれないと思っているかもしれません。
それを克服するためには、トレーニングが必要です。
自分自身と向き合い、自分が抱えている欲求が何なのかを確認し、相手に伝えていきましょう。
相手との境界を設定する
自己主張が苦手な人は、たいてい境界線が弱いものです。
自分で境界線を設定することができます。
境界線を設定することは、自分自身を尊重していることを示すものです。
一度そうすれば、他の人もそれを見て、もっと尊重するようになっていきます。
境界を守り健全なコミュニケーションを図る
アサーティブネスと境界線の設定について最も重要なことは、それを守ることです。
自分自身と自分の欲求に忠実であるならば、自分の境界線を守る必要があります。
このときに相手に屈服すれば、信用を失うことになります。
相手が自分を変えようとするときには、しっかりと自分の境界線を示すようにしましょう。
おわりに
もし、これが自分にとって苦行であっても、あきらめずに練習すれば上手になりますし、何より個人の力が戻ってくるのを感じると思います。
イライラや怒りの感覚も感じなくなっていきます。
そして、力強く行動することができるのです。
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