夜間に十分な休息がとれない、日中も目が覚めてしまうなどの悩みをお持ちの方は、睡眠日記で自分の睡眠パターンを把握することができます。睡眠を記録することは、自分の健康について知るための簡単で手頃な方法です。また、睡眠日記は、医師などの専門家が自分の睡眠の問題に対する治療計画を立てる際にも役立ち、より良い休息をとることができます。
長期間の睡眠不足は、糖尿病や心臓病など、さまざまな認知的・身体的問題と関連しています。ストレス、交代勤務、睡眠時無呼吸症候群などの疾患は、十分な睡眠をとることを妨げます。十分な睡眠がとれない場合は、睡眠日記をつけることで、何が原因で夜眠れないのか、医師と一緒に確認することができます。
睡眠日記とは
睡眠日記は、睡眠パターンを記録して分析するために使用されます。睡眠日記は詳細なものからシンプルなものまであります。毎晩の睡眠記録を定期的につけることで、生活習慣を幅広く把握することができます。
睡眠日記は、就寝時間、夜間に何回目が覚めたか、朝何時に目が覚めたかなど、さまざまな出来事を記録するために使用できます。その他、以下のような要素も記録しておくとよいでしょう。
- 昼寝の回数と時間
- 夜の眠りに落ちるまでの時間
- アルコール、カフェイン、タバコの使用状況
- 薬の使用と服用のタイミング
- 運動量
- 気分やストレスのレベル
- 覚えている夢の内容
睡眠日記はカスタマイズできるため、数週間、数ヶ月、あるいはそれ以上の期間の睡眠パターンを記録することができます。自分の睡眠習慣を正確に把握するために、少なくとも7~14日間、睡眠日記をつけるようにしましょう。病気の間は、睡眠パターンが異なる可能性があるため、睡眠を記録することは避けましょう。
睡眠日記は睡眠にどのように役立つか
睡眠日記は平日と週末の平均的な睡眠時間を医師などの専門家と共有するためのものです。
睡眠日記のデータは、自分が日頃から十分な休息をとっているかどうかを示すことができます。睡眠日記を見ると、平日よりも週末の睡眠時間が長い場合、学校や仕事のスケジュールによって睡眠不足になっている可能性があります。また、睡眠日記は、サーカディアンリズム障害など、睡眠時間に関連する睡眠の状態を診断するためにも使用できます。
寝る前に日記を書く
睡眠パターンを記録しなくても、夜に自分の考えを書き留めることは、健康的な就寝前の習慣となります。心配事を紙に書き出すことで、悩みを発散し、落ち着いた気持ちで眠りにつくことができます。不安や心配事を書き出すことで、心身の健康にも良い影響を与えるかもしれません。
就寝前に将来の出来事について心配してしまうと、眠れなくなることがあります。不眠症の改善に日記を書くことを試してみたい人は、これからしなければならないことについて書くことを検討してみてください。
睡眠日記の始め方
週末を含めて少なくとも7~14日間は一貫して結果を記録することが重要です。これは、睡眠習慣を実証するのに十分な時間です。もし、ある期間に眠った時間や起きた時間が正確に分からない場合は、推測でいいので書き込んでください。
睡眠に役立つジャーナリングを始めたいのであれば、始める前にジャーナリングの目標を明確にすようにしましょう。不眠症を緩和するためにジャーナリングをするのか、不安を解消するためにするのか、自分を表現するためにするのか、決めてください。わからない場合は、テーマを決めて集中的に取り組むようにしましょう。
悩みを書き出す
悩みを書き出すと、早く眠りにつくことができるようになります。気になることを簡単にリストアップしたり、最も緊急な問題について詳しく書いたりしましょう。
感謝日記をつける
就寝時は感謝していることを思い出すのに最適な時間です。寝る前に感謝の気持ちを表すと、1日の終わりがポジティブになり、幸福感が増し、憂鬱な気分が軽減されます。
ToDoリストを作る
5分ほどかけて、詳細なToDoリストを作成します。より早く眠りにつくために、具体的に多くの項目をリストアップしましょう。
習慣にする
就寝前の一貫した習慣を身につけることは、よりよい休息につながるかもしれません。毎晩、同じ時間に、同じ場所で、睡眠ジャーナルを書くことを習慣にしましょう。
不眠症の認知行動療法について
睡眠日記は不眠症の認知行動療法(CBT-I)の中で使われることがあります。認知行動療法は不眠症の精神的、行動的側面に対処する治療プログラムの一種です。治療は以下のような複数の要素で構成されています。
- 睡眠・不眠症教育
- 睡眠パターンの調整
- 睡眠習慣の記録
- 睡眠衛生を改善する
- 睡眠に関するネガティブな思考に対処する
- リラクゼーション方法の採用
認知行動療法に「心配事リスト」と呼ばれる睡眠日記を取り入れる方法があります。寝る前に悩みを書き出し、悩みを解消しておくことで、すっきりして眠ることができるようになります。
医師に相談するタイミング
時々、眠れないことがあるのは珍しいことではありません。しかし、睡眠の問題や気になる変化がある場合は、医師に相談しましょう。以下のような睡眠障害の症状がある場合は、医師に相談しましょう。
- 寝起きの息苦しさ、あえぎ声
- 頻繁に疲れる
- 日中に眠くなる
- 大きないびきや頻繁ないびき
- 夜中に息苦しくなる
睡眠日記を書いている人は、医師の診察を受ける際に必ず持参してください。睡眠日記は、あなたの生活習慣や健康状態について貴重な情報を与えてくれることになります。
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