マネジメントスキルピラミッドのレベル1では、マネージャーが最初に習得すべき基本的なスキルが示されています。これは、マネージャーが成功するために習得すべきスキルを示し、これらのマネジメントスキルが成功に向けてどのように積み重ねていくかということを示すマネジメントスキルピラミッドの基礎となるものです。
マネジメントの基本スキル
マネージャーとして成功するためには、誰もが身につけなければならない4つの基本的なマネジメントスキルがあります。
- 計画する(Plan)
- 組織化する(Organize)
- 指示する(Direct)
- 統制する(Control)
それぞれについて説明します。
計画する(Plan)
計画立案することは、あらゆるマネジメントタスクの最初のステップであり最も重要なものです。また、最も見落としがちな、あるいは意図的に省略しがちなステップでもあります。計画の量や必要な詳細はタスクによって異なりますが、計画を省略してしまうと、後々に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
ビジネスプランニングの種類
プランニングというと、一般的なビジネスプランニングを連想されるかもしれませんが、実際には3つのレベルの計画が存在します。
- 戦略的計画
- 戦術的計画
- 業務計画
準備のレベルや分野を達成するために、さまざまな種類の計画立案が行われます。
- 災害対策計画
- 人材育成計画
- 危機管理計画
- 補償計画
効果的な計画立案に必要な基本的なマネジメントスキル
効果的な計画立案を行うために必要なスキルの一例を紹介します。
- 将来の状態をイメージする
- 目指す姿に向かうために必要なミッションとビジョンを整理する
- 目指す姿を実現するための全体戦略を決める
- 目指す姿に到達するための短期的な目標や活動を選択する
組織化する(Organize)
マネージャーは、チームの仕事を最も効率的かつ効果的に遂行するために、チーム、タスク、プロジェクトを組織化する能力が必要です。最初は小規模なワークチームやプロジェクトチームを組織することになります。このスキルは、会社の部署や新しい部門を組織しなければならなくなったときにも必要となります。
計画立案と計画実行するための組織を作ることは、重なる部分があります。計画立案で「何をすべきか」に焦点を当てることに対し、組織化は「どのように仕事を進めるか」に焦点を当てるという、より実践的なものです。
組織化のために必要なマネジメントの基本スキル
仕事を整理するときに必要なのは、次の行動です。
- 計画を達成するために必要な役割を決める
- 役割に応じたタスクを割り当てる
- 役割に最適なリソース(人または機器)を決定する
- リソースを入手し、役割に割り当てる
- 役割にリソースを割り当て、権限と責任を委譲する
少人数のチームを任された場合でも、プロジェクトを管理する場合でも、マネージャーはオフィスやデータシステムを整理する能力も必要です。
整理整頓に関連すること
チームをまとめるために、物理的に人を動かすことはできないかもしれませんが、その可能性は考慮すべきです。狭いスペースに数人を移動させ、そのスペースでチームが効率的に仕事ができるように、物を整理する必要があるかもしれません。
キャリアの後半になると、複数の異なる部署のチームとそれぞれのニーズに対応するために、オフィスを整理する必要が出てくることもあります。
また、チームが収集したり配布したりする必要のあるデータを扱う、すべてのコンピュータシステムを整理する能力も必要になります。
情報を必要とするすべての人が情報にアクセスできるように、システムをどのように構築するかを決めます。チームが情報以外のものを必要としたり、生産したりする場合は、チームが必要なものを必要なときに入手し、チームが生産したものを適切なタイミングで他の人に提供できるように、組織化する必要があります。
最後に、プロジェクトは一度だけ整理すればよいというものではありません。リソースや目標、外的要因が常に変化しているため、それらに対応するための組織再編が必要になります。
指示する(Direct)
計画を実行するにあたり、メンバーへ適切な指示が必要になります。
まず、チームの全員に目標が明確であることを確認することから始めましょう。
- 全員が目標を知っていますか?
- チームをゴールに導くために、自分の役割は何なのか、全員が知っていますか?
- 自分の役割を果たすために必要なもの(リソース、権限、時間など)をすべて持っているか?
これらを確認し、問題ないことを確認しましょう。
メンバーを引っ張る
チームを目標に導くには、ただ座って指示したり命令するよりも、引っ張っていく方が効果的です。チームメンバーが目標に向かって活動することを支援し、モチベーションを上げることが大切です。
●ディレクションに必要なマネジメントの基本スキル
チームの仕事を指示するときには、次の行動が必要です。
- チームが成功できるよう、明確な指示を出す
- チームの成功のために、チームメンバーが果たすべき役割を明確にする。
- チームが成功するために必要な最低限の指示を出す。
- チームをサポートするために、必要に応じて助言し、フォローアップする。
統制する(Control)
マネージャーがチームの活動をコントロールできるようにすることが重要です。これまでのステップでは、仕事を計画し、それを最も効率的に実現するためのリソースを組織し、チームに仕事を開始するよう指示しました。統制することとして、行われている作業をモニタリングすることがあります。具体的には、実際の進捗を計画と比較するのです。組織が設計通りに機能しているかどうかを確認するのです。
統制することで、その影響を最小限に抑え、できるだけ早くプロジェクトを計画通りするための行動をとることが求められます。計画段階まで戻って計画を調整することや、組織を変える必要があるかもしれません。そして、メンバーを新しい目標に向かわせ、やる気をださせるようにしなければなりません。もちろん、新しい計画を立案したら、実行することで管理し、必要なら調整します。このサイクルは、タスクが完了するまで続きます。
統制するために必要な基本的なマネジメントスキル
仕事を統制るときには、次のようなことが必要です。
- チームやプロジェクトの進捗を確認する
- 各タスクがメンバーによって達成されていることを確認する
- パフォーマンスと品質の基準を設定する
- チームが問題を解決する手助けをする
- 取った行動とチームの進捗に関するフィードバックをする
- チームの成功と進歩に対して評価する
- 計画、組織化、指示の各段階での内容を必要に応じて調整する
統制するためにツールを活用する
統制するために、パフォーマンスと品質に関する基準を設定し、それが満たされているかどうかを監視します。監視の対象となるものの数だけ、利用可能なツールがあります。
スケジューリングツール
多くのソフトウェアツールは、スケジュールを入力し、定期的に進捗を更新することができます。
スケジュールの変更が強調表示されることで取るべき是正措置を確認することができます。
財務管理
マネージャーであれば、通常、予算があるはずです。
財務部からのレポートにより、人材やリソースなどの支出が計画に対してどのようになっているかを知ることができます。
人材管理
チーム内のすべての人材が計画通りに働いているかどうかを確認する必要があります。もしそうでない場合は、その原因を突き止め、解決する必要があります。
- メンバーは目標を理解していないのでしょうか?
- 必要なリソースやスキルを持っていないのでしょうか?
- タスクが大きすぎて、変更したり、別のリソースに割り当てる必要があるのでしょうか?
マネージャーとしての仕事は、チームメンバーのパフォーマンスが計画にどのように合致しているかをフィードバックすることです。状況に応じて、是正措置をとる必要があります。
おわりに
マネジメントの基本スキルは、マネージャーが与えられた目標、プロジェクト、そしてマネージャーが責任を負う組織の一部分の仕事の成果や進捗を達成するための基本的なスキルです。
これらの基本的なスキルのそれぞれで成功すれば、マネージャーとして成功するマネジメントのキャリアへの正しい道を歩むことができます。
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