【KPIとは何か?】設定方法と選択ポイントについて解説

【KPIとは何か?】設定方法と選択ポイントについて解説 ビジネススキル
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企業の目的達成に必要な数字を管理する指標であるKPI。しかし、どのように設定し、どのように活用するのかについて誤解があることも事実です。本記事では、KPIとパフォーマンス指標について解説し、選択や設定に関する課題やポイントを紹介します。

KPIやパフォーマンス指標の種類や選び方、設定におけるポイント、そしてKPIプログラムの開発に関する知識が得られます。また、KPIを正しく活用するための留意点についても学ぶことができます。

KPIは企業経営において非常に重要な役割を果たしていますが、誤った設定や活用は意味のない数字を生むだけでなく、経営判断を誤る原因にもなります。本記事を通じて、正しいKPIの設定方法や活用法を学ぶことで、経営の効率性向上や成果の最大化につながる知識を身につけることができます。

KPIとは、会社の目的に直結する数字のこと

KPI(Key Performance Indicator)とは、成果を見るための数字のことです。ビジネスでは、純利益率など、普遍的に使われるものもありますが、業界によっては独自の指標が使われています。業績を測るために大切な指標と言えます。

KPIを適切に活用するための留意点

KPIを適切に活用するためには、以下の点に留意する必要があります。

  • KPIは、会社の目的に直結する数字であることが重要です。したがって、KPIを設定する前に、目標や戦略を明確にすることが必要です。
  • KPIは、定量的な数字であるため、正確に測定することが必要です。したがって、KPIを定める前に、データ収集方法や分析手法を検討する必要があります。
  • KPIを適切に活用するためには、定期的にレビューすることが必要です。KPIを定めるだけでなく、進捗状況や課題を定期的に評価し、改善点を見つけ出すことが大切です。
  • KPIは、組織全体で共有される必要があります。組織全体で共通のKPIを定めることで、異なる部署間の連携や情報共有が促進され、組織全体の目標達成につながります。
  • KPIは、単なる数値の集合ではなく、それらが示す背景や意味を理解することが重要です。KPIの数値だけでなく、背景や原因を分析することで、課題の把握や改善点の見つけ出しができます。

パフォーマンス指標とは何か

先行指標と遅行指標
パフォーマンス指標とは何か

パフォーマンス指標を開発する目的は、重要な目標の達成度をわかりやすく伝えることができる数値を見つけることです。

遅行指標は、過去の期間のパフォーマンスを測定します。財務指標はその代表的な例です。ただし、過去の実績は将来の成果を保証するものではないことに注意が必要です。

先行指標は、将来の業績に関する予想を示す数値です。例えば、自動車部品の受注数が増えた場合、新車の生産と販売が近い将来に増加する可能性があることを示します。

ほとんどのビジネスでは、目標を達成するために、遅行指標と先行指標のバランスを保つことが重要です。

パフォーマンス指標の種類と役割

パフォーマンス指標には、定量的な数値に基づくものだけでなく、質的な指標も含まれます。

例えば、従業員の満足度や顧客満足度などは、数値化できないがビジネスにとって重要なパフォーマンス指標です。

また、パフォーマンス指標は、業界の基準や競合他社のデータを参照することで、自社のパフォーマンスを評価することもできます。さらに、パフォーマンス指標は、目標と現実の差異を可視化することで、改善のためのアクションプランを策定する際の重要な情報源となります。

KPI設定における課題

KPI(重要業績評価指標)を設定することは簡単ではありません。管理職と専門家が協力して、適切な指標とその相対的な重要性について話し合って検討する必要があります。

以下は、KPIの設定における課題です。

  • 会社の戦略や重要な目標が明確でない場合、指標は財務的な成果だけに集中してしまいがちです。しかし、財務指標に過度に依存すると、事業の健全性を正確に把握することができなくなってしまいます。
  • ある分野で重要視される指標が、他の分野では重要視されないことがあります。
  • 報酬が業績指標の主要な目標と結びついている場合、利害の対立と偏りがプロセスに組み込まれます。
  • 指標を正確に測定し報告することは、内部報告システムが整備されていない場合、困難または不可能となる可能性があります。

重要なKPIを特定し、実施するためには、マネージャーや他の貢献者が指標を定期的に見直し、修正する必要があります。

KPI設定のポイント

KPI設定において、以下の点も考慮することが重要です。

  • KPIは時間とともに変化するため、定期的な見直しと修正が必要です。新しい戦略や目標が設定された場合、KPIの妥当性を再評価する必要があります。
  • KPIは従業員のモチベーションや行動を促すために使用される場合があります。そのため、KPIの設定に従業員を参加させることで、より意義のある目標設定が可能になります。
  • KPIは単一の数値だけでなく、複数の指標を組み合わせて考えることが大切です。たとえば、従業員の満足度と生産性のバランスを見ることで、より総合的な評価ができます。
  • KPIは事業全体の視点から設定する必要があります。個々の部署や担当者に与えられたKPIは、全体の戦略と連動していることを確認する必要があります。

KPIの選択に考慮すべきポイント

KPI(重要業績評価指標)を選ぶときには、以下のポイントを検討します。

  • KPIは有効な戦略から導かれたものか?
  • KPIは将来にも有効か?
  • KPIは明確に定義されているか?
  • KPIはビジネスプロセスを正確に反映しているか?
  • KPIはビジネスが完全に制御できるものか?
  • KPIは改善に焦点が当てられているか?
  • KPIから迅速なフィードバックが得られるか?

KPIは、長期的なトレンドを追うことで、有用な情報を提供します。KPIを正確かつシンプルに保つことで、ビジネスに役立つアドバイスや指針を与えることができます。

KPIを選ぶ際に考慮すべきポイントの拡充に関する内容

KPIを選ぶ際に考慮するポイントに加えて、以下の内容が役に立ちます。

  • KPIは業界標準と比較しても妥当か?業界標準のデータを利用することで、競合他社との比較ができ、業界のベストプラクティスを知ることができます。
  • KPIは定量的指標だけでなく、定性的な指標も取り入れることができます。定性的な指標は、従業員のモチベーションや顧客満足度など、数値では表現しづらい要素を表すことができます。
  • KPIは複数のレベルで設定することができます。企業全体のKPIから、部門レベルや個人レベルのKPIまで、それぞれの役割や責任に応じて適切なKPIを設定することが重要です。
  • KPIはデータの正確性や信頼性に基づいて設定することが必要です。データ収集や分析に必要なシステムやプロセスを整備し、正確なデータを得ることができるようにすることが重要です。

KPIプログラムの重要性とその開発について

KPIを適切に使用する
KPIプログラムの重要性とその開発について

KPIプログラムを開発し、実施することで、管理者やその他のステークホルダーが定期的なレビュープロセスを通じて結果を評価することができます。ポジティブな指標であっても、そのパフォーマンスを強化するために、分析や評価が必要です。

KPIの数値だけでは、状況がどのように発生したのかや改善すべき点を説明できません。しかし、明確に定義されたKPIのセットには、状況の悪化やその改善策を示す数値が含まれています。

このような洞察を得ることで、チームメンバーは先行指標を強化するための行動を起こし、将来の成果を向上させることができます。

KPIが適切に使用されているか、意味のあるデータを提供しているかどうかを確認する簡単な方法は、SMARTフィルターを使うことです。各KPIには、以下の5つの要素が必要です。

SMARTフィルター

  • Specific objective(具体的な目標)
  • A way to Measure goal progress(目標の進捗を測定する方法)
  • Attainable, realistic goals(達成可能で現実的な目標)
  • Relevance to the business(ビジネスとの関連性)
  • Timeframe that makes sense for the company(会社にとって意味のある時間軸)

KPIプログラムの開発や実施にあたってのポイント

KPIプログラムの開発や実施にあたって、以下のポイントも役立ちます。

  • KPIを定期的に見直し、必要に応じて改訂することが重要です。ビジネス環境が変化し、新たな課題や機会が生じた場合、KPIを見直し、新しいKPIを設定することが必要になります。
  • KPIの結果に対してフィードバックを行い、従業員のモチベーションや意欲を向上させることができます。フィードバックを通じて、従業員は自分自身の成果や能力を確認し、改善するためのアドバイスやサポートを受けることができます。
  • KPIは他のメトリックや指標と組み合わせることで、より詳細な分析を行うことができます。たとえば、KPIと顧客満足度調査の結果を組み合わせることで、顧客のニーズや要望をより深く理解し、改善につながる施策を打つことができます。
  • KPIの設定には、ビジネス目標や戦略の優先順位を考慮することが必要です。KPIがビジネス目標とリンクしていることを確認し、優先順位を決定することで、ビジネスの成果につながるKPIを選択することができます。

おわりに

KPIは、ビジネスにおいて目標達成度や業績を評価するための重要な指標です。KPIを定めることで、ビジネスの目標設定や方向性を明確化することができます。

また、KPIは単なる数字やデータではなく、その背後にある課題や問題点を把握するための手段でもあります。

KPIを見ることで、ビジネスにおいて改善すべき点や課題を発見し、適切な施策を打つことができます。そのため、KPIの設定や運用はビジネスにおいて非常に重要な役割を持っています。

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