普段から忙しくて勉強する時間がなかなか取れない人も多いと思います。
少ない時間でいかに効率よく記憶し、充実した勉強時間を造ることが大切です。
まずは勉強するために最適な環境を整えましょう。
そして、スキマ時間を活用することで、少しずつでも勉強時間を増やしましょう。
記憶力を上げるために机の整理から始める

勉強しようにも部屋の中は遊び道具で誘惑がいっぱい、なんて部屋では当然ながら能率も下がってしまいます。
本気で勉強、暗記をして試験に合格したいのであれば、まずは環境作りからはじめましょう。
暗記するときは机の上をキレイにして効率を上げる
勉強に疲れると、マンガの本などをしばらく読んでから、また勉強に戻るというような気分転換を多くの人がやっていると思います。
このとき、読みかけのマンガを机の端などに放りっぱなしにしている人がよくいますが、これは、記憶にとって大きな障害になります。
気分転換に自分の好きな小説や雑誌、マンガなどを読むのはいいのですが、それらが机の上に置いてあると、ついマンガなどに手を出しがちになります。
勉強中に、なかなか憶えられないことでイライラしてくると、勉強に集中できずに気持ちがそれてしまうのです。
これが、悪循環となってさらに集中力が鈍り、記憶を妨げる最大の原因になります。
特に暗記するときは、机の上をキレイに片づけて、勉強で使うモノだけを置いておくようにすると、それにしか集中せざるをえなくなるので効率が上がるのです。
また、見える範囲に勉強以外の誘惑になるものがあると、やはり気を散らす原因になります。
できることなら、勉強部屋を勉強に専念できる空間と息抜きする空間に分けてしまうのがいいでしょう。
こうすれば、勉強と息抜きを空間的に分けているので、気分的にも区切りをつけることができます。
クラシック音楽を聴きながら記憶を定着させる
勉強部屋で暗記をするときにBGMを流すとしたら、アップテンポの曲は選ばないようにしましょう。
記憶材料と記憶材料の間にはわずかな隙間があり、ひとつを憶えて次に進むときには、フッと息をつく瞬間があるわけです。
この間を埋めるのがBGMで、注意を散らさずに一種の気分転換にもなり、頭をリフレッシュさせる曲が必要なわけです。
クラシック音楽は、変化が少なく平坦な感じなので、この場合のBGMにはピッタリで、少なくとも、記憶を抑制する作用はありません。
なお、歌謡曲は歌詞に気をとられてしまうため、それが逆向抑制効果となってしまい、前に憶えたものを抑制してしまう可能性があるので、避けたほうがいいです。
勉強している内容が頭に入らなくなったら机から離れてみる
何がどうなってしまったのか、頭が少しも情報を受けつけてくれない、憶えようとするとすぐにはねかえされてしまうと状態に陥ることあったりします。
こんなときは、思い切って机の前を離れることです。
といっても、勉強をやめたわけではありません。
例えば、庭へ出て、イスに座って庭の芝生を見つめるようにすると、気分がまるで違って、疲れた精神がリラックスできるのです。
このように、どうにもならなくなったら環境を変えて気分転換することです。
また、環境を変えてみるのは、あとで思い出す場合にも、好都合なことがよくあります。
試験のときに、憶えた内容をすっかり忘れていても、どこで憶えたかを思い出すと、それがきっかけで、記憶をたどることができるからです。
とりわけ、長時間ぶっとおしで頭を使う一夜漬けのような場合は、環境を変えるのがむずかしいだけに、座る場所を変えたり、道具を変えたりする、ちょっとした工夫が記憶の量を大きく左右します。
時間や場所や体調を認識することで記憶力を高める

通勤通学で満員電車になるとテンションが下がったりイヤな気持ちになったりしますね。
毎日苦しいなぁと思いながら目的の駅まで我慢するのですが、実はこの時間は記憶にはとても有効だったりするのです。
辛いと思う時間を充実した時間に変えるようにしましょう。
空腹時や食事直後は記憶力が落ちる
いかに試験直前だからとか、一夜漬けで勉強する必要があるからといって、食事をしながら勉強するのはやめましょう。
食事の直後には、脳を含む身体全体の活動レベルが低下します。
脳細胞の活動が衰えているときに勉強しても、あまり効果が出ません。
お腹の状態を落ち着かせ、血液が胃から脳に環流してくるのを待ちましょう。
食事中や食事直後は、身体を休めて頭も使わずにいることがエネルギーの貯蔵につながるので、記憶にとってよい状態になります。
満腹と空腹は記憶を妨げるので、一夜漬けで暗記が必要なときは、夜食などの休憩時間を絞って、その他の時間は勉強に熱中するパターンをつくると、効率的な時間配分にしましょう。
特に記憶したい内容は勉強時間の最初と最後に憶える
勉強時間の最後に取り組んだ内容はよく憶えているのに、途中の時間で憶えたことは忘れてしまっていることがあります。
この結果については、心理学では記憶した痕跡が互いに抑制するためだと考えられています。
まず、順向抑制という先に記憶した痕跡が後に記憶した内容を抑制し、さらに後から類似の内容を記憶すると、逆に前の痕跡を抑制する逆向抑制がこれに加わって、互いに記憶した内容を消し合ってしまうのです。
ところが、系列の最初に記憶したものは、逆向抑制はあっても、その前に何も記憶していないので順向抑制は働きません。
また、最後に記憶した内容は逆に順向抑制は受けても逆向抑制は受けない、というわけです。
中間のものが二重の抑制を受けて記憶に残らないのに対して、前後に記憶したものが鮮やかに記憶されるのは、このような記憶のメカニズムがあるからです。
この原理を使って、最初から記憶する、途中から記憶を始める、あるいは最後から逆に記憶する、などのパターンを織りまぜると、この効果のマイナスを消すことができ、まんべんなく記憶できるようになります。
満員電車やバスの中は絶好の暗記できる場所である
知らない人ばかりの集団の中では、独りでいるときよりも孤独さを感じるものです。
周囲の人間が自分とは無関係なだけでなく、周りの人の会話も自分とは関係のないことばかりなので、疎外感が生まれます。
たしかに、満員電車やバスの中は物理的には窮屈で騒がしくても、自分と関係のない場所となると、人の関心というものは自分の内部に向かいがちになります。
こうなると満員電車やバスの中の孤独は、勉強にとっては逆に絶好のチャンスになります。
英単語や歴史の年代といった暗記モノは集中力が必要なので、自分に集中している環境を利用できます。
しかも、小説を読むこととは違い、頻繁にページを繰る必要がないため、暗記モノが満員電車やバスの中に向いているのです。
加えて、下車駅がひとつの区切り、つまりゴールと見立てる方法もあります。
下車駅が近づくにつれて集中力が増し、ゴールを意識しながら暗記すれば、集中力が増して効率アップにつながります。
記憶力を高める方法は自分の中にある感情をうまく使う

淡々と記憶することってなかなか難しいものですね。
なかなか頭の中に入ってこないときはどうしたらよいのでしょうか?
そんなときは自分の感情を味方につけるようにしましょう。
楽しいことに結びつけて憶える
人間は幼少時代からさまざまな体験をしていますが、一般に悲しいことや辛いことは忘れ、楽しかったことは記憶に留まりやすい傾向があります。
精神分析の祖であるフロイトは、かつて「自我に脅威を与えるようなことがらは、無意識の世界に抑圧されて、なかなか意識レベルに上昇してこない」ということを言いました。
人間の精神活動を考えると、何かを記憶するときには、できるだけ楽しい体験と結びつけると記憶しやすいです。
嫌いな化学分子式を記憶しなければならないとして、嫌だなあと思いながら記憶しようとしても、なかなか記憶することができません。
記憶したい言葉を入れたストーリーを作って一気に憶える
バラバラの知識ほど憶えにくいものはありません。
たくさん記憶しなくてはならないときは、まとめて憶えてしまうほうが効率的で、しかも記憶に定着しやすいです。
そのために、記憶術でよく用いられているのが、憶えたい言葉をひとつの文脈の中に入れ込んで、ひとつのストーリーを作り、全体の流れのなかで記憶する方法です。
ストーリーは、非常識でおバカな内容が好ましいです。
人間は、ありふれた内容はあまり覚えていないのですが、奇抜/不思議/法外といったバカげたことを見たり聞いたりすれば、長時間記憶に残るのです。
あと、そのストーリーをイメージ化することが大切です。
ちょうど映画のように情景や内容が思い浮かぶようにストーリーを作るのです。
単語ならば、イメージを浮かべやすいものに変えて、そのイメージをつなげて、ストーリーを作ります。
つまり、アニメーションのように面白いシーンが連続するようなストーリーを作って記憶していくのです。
このため、英単語や歴史的事件のつながりなどを記憶するには、とてもよい方法です。
頭文字を並べて意味のある言葉・文章をリズムよく憶える
頭の文字をまとめて並べ、意味のあるリズミカルな文章にしてしまうと、数やアルファベット、あるいは漢字の列が、いくつでも記憶できます。
その例をいくつか記します。
この最初の例は、意味よりも、むしろリズムで憶えてしまうものです。
自分にとって記憶しやすいリズムであれば、たとえ意味はなくても、口ざわりだけで長く記憶できるものです。
自分に合うリズムを作ってみることをオススメします。
まとめ
記憶力を上げるには机の整理から
・机の上に余計なものを置かないことで勉強に集中できる環境を作る
・勉強と休憩スペースを明確にすることで気分の切り替えをハッキリさせる
・落ち着いたBGMは記憶と記憶の隙間を埋める有効な手段である
・机から離れることで気分転換と思い出すきっかけになる
時間や場所や体調を認識することで記憶力を高める
・満腹と空腹は記憶を妨げるので、休憩と勉強に集中して記憶によい環境を作る
・特に重要な内容は勉強時間の最初と最後に憶えるようにする
・孤独な移動時間は絶好の暗記できる時間なので有効活用する
記憶力を高める方法は自分の中にある感情をうまく使う
・できるだけ楽しい体験と結びつけると憶えやすい
・憶えたい言葉を入れたストーリーを作り、全体の流れの中で憶え込む
・自分にとって憶えやすいリズムで口ざわりだけで長く記憶する
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