あまり必要でないことを記憶してしまって肝心なことが記憶できないなんて経験はないでしょうか。実は、不要な記憶は思い出すときに邪魔をすることがあるのです。そのメカニズムを知ることで、記憶する内容を選んで効率よく記憶する方法をお伝えします。
不要な記憶は必要な記憶の妨げになる
受験勉強に疲れて映画を観に出かけ、帰ってきてすぐ勉強にとりかかると、観てきた映画のことが頭に浮かんできて、なかなか頭に入ってこない…こんな経験をされた人もいるかもしれません。
これは、映画の記憶が邪魔をして必要な記憶の進入や定着を妨げているからです。
人間の脳細胞の数は約140億ですが、このうち有効に働いているのは約5%ぐらいと言われています。
だとすれば、脳の働きには十分な余剰能力があり、いくら憶えても脳がすり減るなどということはないと思いますよね。
しかし、記憶の仕組みというのは脳細胞の数だけではわからないものです。
脳に入った情報は、脳の中で網の目のように結び合い、絡まりあいながら機能します。
そして、外からの刺激に応じて再生されます。
あまり役に立たない情報が詰めこまれていると、必要な情報の間で引っかかってしまい、新しい情報を抑圧することになります。
たとえ必要なものが記憶のなかにはいっても、再生されるときには、不要なものも一緒についてきたりして、あいまいな情報しか提供してくれないのです。
このことから、勉強にとりかかるときには、頭を完全に切替えて白紙の状態にしておくことが必要なのです。
記憶で使うエネルギーを節約する
人間が記憶をしようとするときには、脳細胞を最大限に働かせると同時に、心的なエネルギーを十分に注入する必要があります。
勉強のあとで、頭をはじめ全身がぐったりとするのもこのためです。
このエネルギーを勉強に費やすために、勉強に無関係なことはメモを取るなどして脳以外のものに記録するようにしましょう。
そして、メモしたという事実だけを憶えておき、その内容は忘れるようにすると、記憶が節約されるばかりでなく、その分だけ勉強に意識を集中し、エネルギーを注ぐことができます。
現代は情報時代であり、あらゆる情報が洪水のように押し寄せてきます。
その洪水に飲み込まれないようにするには、その中から、何を憶え何を憶えないかを判断することが、とてもに重要です。
直接、脳という生きたメモから再生する必要のない情報はメモで補い、記憶から排除することに成功すれば、自分の記憶はいつでも思い出せるように整理された状態にできます。
そのためには、常にスマホや手帳か小型のノートを持ち歩くようにしたいものですね。
まとめ
・頭を完全に切替えて白紙の状態にしてから勉強を始める
・不要な情報は記憶せずに勉強に意識を集中しエネルギーを注ぐ
・常にメモできる環境にしておく
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