日頃スムーズに業務が進められていたとしても、まったく問題のない職場はありません。
ここでの問題とは、表面化しているトラブルから、特に支障がないものや存在にさえ気づかないものも含まれています。
問題を放置しておくと、いつかは何らかの形で組織に損害を与えてしまうので、うまく問題を発見して解決することが必要です。
問題解決には、問題を正しく見定めて、目標を設定することです。
問題に見えるが実は現象だったり、顕在化していないが実は問題であること、さらには、いくつかの現象だが、背後の問題は同じであること、など、よく考えて目標を設定しましょう。
取り組む前に問題解決について考える

まず最初に、職場における問題解決ということについて、改めて考えるようにします。
もちろん実際には、誰が、どのような状況で、どんな問題を解決するのか、様々なケースがありますが、基本となる部分は共通しているものです。
どのような職場でも何かしらの問題は必ずあるので、積極的に問題解決に取り組みましょう。
職場で解決すべき問題とは
あるべき姿や目指す姿と現状との間に乖離があるものが問題で、この差を埋めることが問題解決になります。
実際には、困っていることを問題という言葉を使って表現することもありますし、技術開発や新規プロジェクトなどに関して、課題という意味で問題と言うこともあります。
問題という言葉を職場で使うときには、その都度、定義を確認することが必要になります。
問題解決の手順
問題解決は、課題形成→対策立案→実行というプロセスになります。

最初のプロセスで、問題の本質を探り、何をどうすべきなのかをしっかり決めるようにしましょう。
最初の事実確認をおろそかにしてしまうと、間違った問題解決になってしまいます。
問題解決の考え方
問題の解決策を考えるときには、仮説を立てて検証するというプロセスを繰り返しながら、目標を目指します。
データからの推論で背後にある問題を探ったり、対策を実行した場合の効果を推測する作業も必要です。

ここでは根拠のない憶測をしないように、事実に基づいて論理的に考え、分析することが大切です。
また、原因や対策を考えるときには、思い込みを捨てることも大切です。
固定観念を捨ててゼロベースで考えるように意識しましょう。
●必ず解決できるという姿勢で取り組む
問題解決に取り組むときには、常に最終目標を目指すようにします。
対策立案すると、立案した計画を計画通りに実行することが目標にすり替わってしまうことのないようにしましょう。
問題は必ず解決できると信じ、そのゴールを目指して、対策を進めてください。
こうすれば問題は解決するはず、と立てた対策でも、実行してみると、仮説通りにならなかったということもあります。
計画を実行しながら、このまま進めて良いのか、仮説通りに効果は出ているか、もっと良い手はないか、などと考え続けることが大切です。
課題形成から目標を設定する

問題解決の最初のステップは課題形成になります。
問題を特定し、その問題をどのようにしたうえで目標を設定のか、課題形成のプロセスについて説明します。
問題のタイプを知る
問題には以下のような要素が組み合わさり、色々なタイプの問題があります。
問題のタイプを知ることで、おおよその対策方法が見えてくることがあります。
問題のタイプ
- 原因:ある or ない
- 位置づけ:本質的な問題 or 問題によって起こる現象
- 顕在化:している or していない
- 状況:マイナス→ゼロ or ゼロ→プラス
必要なものを明確にして情報収集する
課題形成において、情報を集めるときには、知りたいことを明確にして、それに合うものを選ぶことが大切です。
情報を集めるときには、次のような点に注意しましょう。
情報を集めるときの注意点
- 情報の信頼度が高く信憑性があるか
- 情報の新鮮であるか
- 著作権などの権利侵害を犯していないか
- 経緯などが明確か
深堀りして本質的な問題を探る
問題解決には、問題と思われることを深堀りし、本質的な問題を探ることが大切です。
問題をきちんと把握し、それを改善すれば現象は自然に解消していきます。
関係者と問題意識を共有する
組織の問題を解決するには、関係者の間で問題意識を共有することが必要です。
そして、この問題をどのようにすることを目指すのか、目標についても明確に伝え、浸透させるようにしましょう。
当事者が狙いや目的を理解していないようでは問題は解決できません。
さらに、問題意識と対策を共有することで、次のようなメリットが期待できます。
共有することのメリット
- 当事者意識が生まれる
- 最終目的を見すえた活動ができる
- 判断基準が統一できる
- 新たな発想が生まれる
問題解決の優先順位
問題に見えることでも、整理してみると絞れて数は少なくなります。
しかし、必ず1つになるとは限らず、複数の問題になったときに、どれから手をつけるべきか迷うところです。
優先順位としては、緊急度や重要度など、様々なことをよく考えてましょう。
緊急度としては、顕在化していること、外部からの圧力があること、など。
重要度としては、顕在化したときの損失が大きい場合、など。
問題の中には、相互に影響し合うために片方が解消できればもう一方にも影響するとか、同時に取り組まなくては解決が難しいという内容もありますので、気をつけましょう。
対策立案は本質的な問題を正しく見定めることが大切

課題形成できたら対策立案していきます。
対策立案では設定した目標を達成するために具体的な手段を決めます。
課題に対する意見や考えなどアイディアを出して、その内容を検討・選定したうえで、計画を立てるという流れです。
特定した問題の解決策を考えるときには、最終的なゴールを常に念頭に置いて、問題を必ず解決しようという意欲を持つことが大切です。
何が本質的な問題なのか正しく見極めることが成功のカギとなります。
何を目指しているのかを明確にしたうえで意欲を持って取り組みましょう。
課題に対する意見や考えなどアイディアを出す
アイディアはできるだけ幅広く、数多く出すようにしましょう。
最初から制限をかけて絞り込む必要はありません。
まずはアイディアを出すことに集中しましょう。
ブレインストーミングで自由に意見を出す
アイディアをたくさん出す手法として、ブレインストーミングがあります。
ブレインストーミングとは、アイディアを生み出す集団発想法手法であり、複数人で会議の際にアイディアを出し合ってアイディアや発想の整理する事をメインとして活用されています。
ブレインストーミングの基本的な4つのルール
- アイディアを批判しない
- 判断せずに自由に発言する
- 質よりも量を重視する
- アイディアを組み合わせる
実行できそうもないアイディアでも意見出しする
現状で実行できそうもないアイディアでも極力出していくようにしましょう。
あまりにも現実的でないものは別ですが、ある程度は計画段階で工夫できるものです。
例えば、マンパワーが足りなければ別の部署から応援を頼む、ノウハウがなければ専門家の力を借りる、など。
また、アイディアを調整して現状でも実行できるように調整してもよいです。
まずは色々なアイディアを出しましょう。
アイディアの選定は厳しく行う
アイディアを出し尽くしたら、そのアイディアを選定をします。
対象のアイディアを様々な方向から厳しく検討します。
どのような効果が、どの程度の確率で期待できるのか、費用や人手などのコストがどの程度必要か、どの程度リスクがあるのか、といった具合です。
ただし、特定の要因だけで単純に考えず、様々なことを総合的に考えたうえで、アイディアを選ぶことが大切です。
仮説と検証を繰り返して進める
問題解決においては、仮説と検証の繰り返しで進めるのが原則です。

対策についても、検討段階から、どのような効果が、どの程度期待できるのか、具体的に予測することが大切です。
可能な限り数値化しておきましょう。
数値化することで、具体的な計画を実行していく際に、結果を測定してフィードバックしやすくなります。
抽象的なイメージで計画実行を進めると、仮説が正しかったのか、効果が出たのか、目標が達成できたのか、判定しにくくなります。
誰にでもわかりやすい計画を立てる
原則として、計画は誰が見ても迷うことなく、そのまま進められるように決めます。
明確にしたい項目としては次のようなものがあります。
計画時に決めるべき項目
- 期間はいつからいつまでか
- 担当者は誰か
- どのように進めるのか
- 予算はいくらか
- 結果をどのように測定するか
計画は実現可能なものであり、目標を明確に決めておくことが必要です。
ゴールを意識しながら対策実行する

いくら本質的な問題から効果的な解決策を立案しても、計画実施する際に間違えてしまっては問題解決できません。
本質的な問題は何か、どうしようとしているのか、常に考えながら実行することです。
目先の課題がゴールにらないように注意しましょう。
実行時は最終目標を常に意識する
対策実行時では、問題解決の最終目標を目指して進むことが大切です。
対策を考え計画を立てて目標を設定したこと自体が最終的なゴールとすり替わってしまう可能性があるのです。
最終的にどこを目指しているのか忘れないようにしましょう。
目標や本質を理解したうえで計画実行する
計画を実行するにあたり、本質的な問題は何か、それをどうしたいのか、目標をはっきりと理解していることが必要です。
目標や本質を理解せずに与えられた計画をただ実行するだけでは、十分な効果は出ないばかりか、間違った方向に進む可能性もあるのです。
大規模な企画であれば、プロジェクトチームを組織するといったやり方もあります。
各部署から代表を集めて参加させ、実行ではプロジェクトメンバーが推進役になります。
効果の測定
問題解決策は仮説に基づいて立てているため、計画実行していると環境も変わってきたりします。
計画実行しているのであれば、できるだけ頻繁(リアルタイムが望ましい)に、問題は起きていないか、期待していた効果は出ているのか、進み具合はどうか、などをチェックしましょう。

また、指標を確認する際には、簡単に測定できる値を定めておきましょう。
期待した効果が出なければ軌道修正する
計画実行し、状況をモニタリングしたうえで、あまり効果が出ていないようであれば、実際に軌道修正をするかどうかはともかく、その必要があるか、改善の手立てはあるか、検討してみましょう。
問題に気付いても何もしなければ、モニタリングをした意味がありません。
ただし、過剰に反応する必要はありません。
全面否定して最初からやり直す必要などありませんし、特に改善点がなかったり、効果が出るのが遅いなど、あまり影響なければ計画通り続けるようにしましょう。
フィードバックして次につなげる
組織の全ての問題は、相互に複雑に影響し合っているもので、全体のバランスを見ながら進める必要があります。
このため、実施した解決策の結果は、組織の問題解決全体にフィードバックしましょう。

同じ解決策について別の計画を立てたり、同じ問題について他の解決策を考えるなど、次につなげるようにしましょう。
おわりに
冒頭にも述べましたが、問題のない組織はありません。
問題に気づいていなかったり、大した問題ではないと思っていたことでも、少しずつ組織に歪みをもたらして大きなトラブルを引き起こすこともあります。
何を解決すべきなのか、そもそも本質的な問題は何かを間違えることなく取り組み、強い組織を作っていきましょう。



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