TOEICで600点を2ヶ月で達成するための具体的な勉強メニューを考えましたので、紹介します。
600点というと、社会人においてはTOEICでは最初の登竜門のようなスコアになっています。
かく言う私も初心者から始まり、最初に受験したころは500点くらいでしたが、その次に目標としたいスコアとして考えたときに、目標としては600点でした。
その時から3ヶ月くらいかけて勉強を続けることで、少しずつレベルが上がり、次の受験では700点にスコアアップして超えることができました。
その時の経験をもとに、具体的にどの参考書で何をやればいいのか、というところを紹介したいと思います。
2ヶ月で600点を取るということに対して、どのように思うかは人それぞれですが、決してムリな目標ではありません。
十分に達成可能なスコアだと思いますので、まだTOEICテストを受検したことがない人や、初心者の人でも大いに達成できるのです。
希望を持って、今回の勉強メニューを参考にしていただきたいと思います。
2ヶ月で600点取る勉強メニューの前提条件
2ヶ月間で何をどれだけ勉強すればいいのか、気になりますよね。
まず、今回の勉強メニューには以下の前提条件を設定しています。
・最初の1ヶ月は1日1時間を勉強時間を確保し、2ヶ月目は1.5時間(90分)を確保すること
・高校までの文法はひととおり理解していること
・文法を理解する時間はTOEIC勉強時間とは別の時間を確保して勉強すること
文法を忘れてしまったということはよくあることですが、復習に割く時間を今回の勉強方法に入れてしまうと個人差が出てしまいますので、勉強の共通化をはかるうえでも、TOEICで600点を取るという目標を達成するために的を絞ります。
繰り返しになりますが、高校までの文法は理解していて、まだ理解できていない文法に関しては、都度振り返って憶え直すという前提になります。
なお、そもそもTOEIC対策の基礎ができていない、と不安に思われている人は、こちらの記事に最初に何をしたらいいのかを解説していますので、併せてお読みいただければ幸いです。
最初の1ヶ月目の勉強メニュー
最初の1ヶ月は、とにかく英単語を記憶することに集中します。
それ以外の勉強は一切やりません。
理由としては、TOEICのリスニング、リーディングにおいて、何を勉強にするにしても、英単語は必要不可欠であり、英単語を知らないとTOEICの勉強しても勉強効率がまったく上がらないのです。
リスニングの問題を聞いても、そもそも英単語を知らなければ何を言ってるのかわからないですね。
リーディングの問題文を読んでいても、わからない単語が出てくるたびに辞書やインターネットで調べたりしていると勉強がはかどりません。
最初は、英単語について600点を取るのに必要な分を集中して憶えてしまうことで、TOEICの土台となる部分をしっかり仕上げるという戦略になります。
経験者は語る…
人によっていろいろな意見があると思いますが、実際に私が最初に取り組んだのが、英単語をとにかく憶えることでした。
そこまで長い時間を使うわけではないので、まずは英単語をしっかり憶えてから、その後にリスニングやリーディングの勉強をやっていくほうが、効率的に進められました。
具体的に英単語学習では何を勉強するのか
最初の1ヶ月では、600点を取るために必要となる1500語を記憶するようにします。
2冊の英単語参考書(『出る単特急 銀のフレーズ』『出る単特急 金のフレーズ』にある1500語が対象となります。
出る単特急 銀のフレーズ … 1000語
出る単特急 金のフレーズ … 500語(600点レベル400語+Part1重要単語100語)
1500語を1ヶ月で憶えるということは、50語を1日で記憶するという計算になります。
ただし、人間の記憶力としては、単語帳を1回だけでは憶えられる人はほぼいませんので、最低でも3回は回したいです。
とすると、50語×3回=150語 を1日のペースとして憶えるようにしましょう。
英単語1語にかけられる時間は、3600秒÷150語=24秒 となりますので、24秒かけて英単語をどんどん見ていきましょう。
英単語を憶えるにあたり大切なことは、英単語を見た回数になります。
このため、英単語1語に対してじっくり時間をかけて見ても、あまり記憶にはつながらないので、まずは回数を優先して憶えていくようにしましょう。
英単語の記憶方法
英単語の記憶方法について、手順を以下に挙げます。
① 英単語を見る
② その意味を見る
③ 例文を発音する
特に発音することが重要です。
正しい発音で憶えないと、リスニングに対応しにくくなるためです。
英単語1語あたり24秒ですから、上記の手順①②③を3回くらい回せます。
時間というのは区切ることで長く感じるものですので、少ないということはないと思います。
24秒のペースでどんどん単語を見ていくようにしましょう。
1時間の有効な使い方
勉強時間の確保の状況にもよりますが、可能であれば1時間を1回ではなく、20分で3回とか30分を2回に分けて勉強することをオススメします。
ポモドーロテクニックを使い、時間を区切って集中したほうが勉強効率が上がるのです。
ポモドーロテクニックとは…
生産性を上げるテクニックで、25分間作業して5分間休憩する、を繰り返すことが最も生産性を上げるというものです。
勉強においてもポモドーロテクニックを活用することで、記憶力でも初頭性効果(最初のほうの内容は記憶に残りやすい)と新近性効果(最後のほうの内容が記憶に残りやすい)に有効です。
勉強時間を工夫する
たとえば、朝昼夜と20分ずつ3回に分けて勉強するとか、朝と夜で30分ずつ時間を分けて勉強するほうが、脳にとっては効率よく記憶できるものです。
人間の集中力は個人差もありますが、集中力は20分くらいが限界と言われています。
その特徴を最大限に活用して多く長く記憶できるようにしましょう。
英単語を完璧に記憶する必要はない
1ヶ月続けると完璧に記憶できる人もいれば、少なくとも80%ほどの1200語くらいは記憶できると思います。
全数を記憶できなくても、この後にリスニング、リーディング対策を進めていく中で、問題集の中で何回も英単語を見ることになります。
問題を解いていく中で、「この単語を見たことがある」という場面が何回もありますので、自然に英単語や語彙の数が増えていくのです。
たとえ全数憶えられていなくとも、1000~1200語は記憶できた、となれば次の勉強を進めるようにしましょう。
2ヶ月目の勉強メニュー
英単語を記憶したら、次はTOEICにはリスニング、リーディングがありますので、それぞれ分けて対策をしていきます。
2ヶ月目は1日1.5時間(90分)を費やして勉強します。
2ヶ月目の勉強メニュー【リスニング対策】
リスニングについては、毎日30分を勉強時間にあてます。
リスニング対策として、シャドーイングを行うのが理想的ですが、シャドーイングは効果的な勉強法ですが、今回の目的である600点を目指す人がやるのには負担が大きく、大幅に時間をかけなければいけません。
シャドーイングとは…
ネイティブの音声を聞きながら、続けて追いかけながら発音し、完全にコピーできるまで行うというトレーニング法
なかなか時間が取れない中でシャドーイングに多くの時間を取られてしまうとやる気もそがれてしまい、続けるのが困難になってしまうので、今回の勉強メニューには入れてないです。
時間が取れるのであれば、最新の問題集『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8』でシャドーイングをするのが一番効果的な方法です。
さらに、高得点を狙いたいと考えているのであれば、シャドーイングは欠かせませんので、チャレンジしてみましょう。
パート別リスニング対策
リスニングでの勉強法について、パートごとに説明します。
Part1
これは、先の1ヶ月目で勉強した『出る単特急 金のフレーズ』で対策済みです。
『出る単特急 金のフレーズ』のPart1重要単語100の中には、頻出する表現が網羅されています。
重要単語100をしっかり憶えているのであれば、Part1は対策済みとします。
Part1は現状では6問だけであり、ここに時間をかけても費用対効果が小さいので、このくらいにしておきます。
Part2
実はPart2はリスニングにおける最難関のパートになります。
このため、個別の対策はしません。
あくまで600点を取るために、限られた時間の中で最も効果的な勉強法を提案する中での戦略となります。
点数を取るコツとして、文頭の疑問詞に集中して、それに則した選択肢を選ぶようにしましょう。
質問に対する選択肢の選び方
・Where~? であれば 場所 の選択肢を選ぶ
・When~? であれば 時間の 選択肢を選ぶ
・Who~? であれば 人 の選択肢を選ぶ
・Why~? であれば Because~ の選択肢を選ぶ
Part3・Part4
最新の傾向を反映した一番新しい公式問題集『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8』を使って勉強しましょう。
重要なのは、スクリプトの構文分析をすることです。
理由としては、リスニングでは、まずは話されている英文を読んで理解できるようにしなければなりません。
書かれている英文を理解できないと、聞いても絶対に理解できません。
Part3とPart4は、およそ30秒~60秒の音声が流れます。
これを長文読解をするように構文分析をして意味を理解するという勉強をしましょう。
読んで理解できるようになったら、音声を聞いてストーリーを頭に浮かべながら意味を理解していくようにしましょう。
ポイントとしては、音声を聞きながら英文を想像するようにすることです。
読まれている音声は構文分析した時に見ている英文で記憶しているため、流れている音声と構文分析した英文を頭の中でつなげるようにして理解しましょう。
リスニングができるようになることは、聞こえた音から頭に浮かぶ英文量を増やすことになります。
音声と英単語をつなげることで、音声からすぐに英文が頭に浮かぶようになる、というイメージです。
公式問題集にはPart3とPart4は合計46問ありますので、1日3問を上記の勉強をしてください。
1問あたり10分かけて、構文分析して、音声を聞くという勉強をしていきます。
2ヶ月目の勉強メニュー【リーディング対策】
リーディング対策には1日に1時間勉強します。
パート別リーディング対策
リーディング対策もパート別に対策していきますが、Part5とPart6と中心に対策します。
Part5・Part6
日本の英語教育は、英文法を重視しているところがあり、その文法問題が出題されているのがPart5とPart6だからです。
使用する教材は『文法特急(1駅1題 TOEIC L&R TEST)』と『TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問』です。
文法特急(1駅1題 TOEIC L&R TEST) … 150問
TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問 … 1000問
文法特急は150問、でる1000問は1000問ありますので、これを最初の20日間で1回しやり切るように、1日あたり60問を解いていくようにします。
間違えた問題については後で振り返りやすくするようにマーキングや付箋をつけるようにしましょう。
そして、最後の10日間で2周目として間違えた問題を再度勉強しましょう。
ここで時間があれば、英単語やリスニングの復習をしていきます。
問題を解いていく中で、解説を読んでも理解しにくかったり、文法を忘れていたりすることがあると思いますが、これらに充てる時間は別で確保するようにしてください。
このように、1問ずつ丁寧に勉強していくことで、Part5とPart6の実力が大きくつきますので、必ず勉強するようにしましょう。
Part7
Part7の対策として、前半部分は非常に短い文章の読み物になりますので、特別な対策は不要です。
最初の1ヶ月で英単語もしっかり記憶し、文法の基礎をおさえているため、かなり簡単に読めるようになっているはずです。
このため、TOEICで600点を取る、という目的の勉強メニューにおいては、特別な対策はしません。
Part7を全問解答するのであれば、時間配分や、文章間の情報を繋いで解答するように練習する必要があります。
リーディングは300点取ればいいという考え方としたときに、175問以降は問題の難易度も上がり、ここで時間を使うのは得策ではないので、あえてPart7の対策はやらないのです。
ただし、Part7をまったく捨てるのではありません。
既に英単語をしっかり憶え、Part5とPart6の対策で文法をしっかり勉強しています。
特にPart6は中くらいの長さの英文となっていて、Part6の対策で読解力も鍛えられているため、点数も半分以上は取れる英語力がついているのです。
あくまでも限られた時間で最適な勉強をする、という考え方です。
まとめ
TOEIC初心者が2ヶ月で600点を取るための勉強メニューを紹介しました。
もちろんですが、勉強の効果は個人差がありますので、この勉強メニューをやった人全員が600点を取れるわけではありません。
ただ、私が経験してきた中で高確率で600点が取れる勉強メニューになっています。
勉強法がわからない、という人にはまずは2ヶ月間、上記の勉強メニューに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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