季節性大うつ病の危険性!季節の変化が気分に影響を与える理由とは

季節性大うつ病の危険性!季節の変化が気分に影響を与える理由とは メンタル
この記事は約6分で読めます。

季節の変わり目に運が少し悪くなっている、逆に、足取りが軽くなっていると感じたなら、それは気のせいではありません。

実際に起こっていることなのです。

日照時間の長さも重要ですが、気温やライフスタイルも影響します。

季節の変わり目には、誰もが同じように反応するわけではありません。

しかし、季節によって心や気持ちが良くも悪くも変化すると感じるのであれば、以下のような科学的根拠に基づく理由があります。

季節的なパターンを持つ大うつ病性障害

季節的なパターンを持つ大うつ病性障害

以前は、季節性感情障害またはSADと呼ばれていました。

現在では、季節性大うつ病と呼ばれ、晩秋から冬にかけてうつ病のエピソードが繰り返し起こり、それ以外の季節は正常な気分で過ごせるという特徴を持つうつ病の一形態です。

症状としては、以下のようなものがあります。

  • 炭水化物が欲しくなる
  • 日中の疲労感
  • 過食
  • 過眠
  • 体重増加

この症状は、光の減少に反応すると言われていることから、人工光療法がよく行われます。

また、体内の幸福神経伝達物質であるセロトニンの減少が、この疾患の原因である可能性も指摘されています。

セロトニンは、運動する、マッサージを受ける、楽しい思い出を考える、1日に自然光を多く取り入れる、などの方法で増やすことができます。

エネルギーレベルの変動による影響

エネルギーレベルの変動による影響

冬の間、目覚ましをかけてもなかなかベッドから出られないという人は、メラトニンレベルが上昇していることが原因かもしれません。

脳はセロトニンを使ってメラトニンを生成するため、メラトニンが増加するとセロトニンが減少し、体がだるくなったり、物事に対する意欲が低下したりします。

運動することはセロトニンのレベルを上げ、全身のエネルギーを高めることが証明されているので、1年中、特に冬はフィットネス活動を継続することが大切です。

日中に太陽の光を浴びる

冬は太陽からの紫外線量が少なくなります。

その結果、ビタミンDが減少し、体力の低下を招きます。

紫外線量の多い日中に太陽の光を浴びるように心がけることは、SADの治療法として良い影響を与えます。

ビタミンDの補給は、疲労回復に効果があるとする研究結果もあります。

ビタミンDを多く含む食品(鮭、卵黄、ほうれん草、ケール、きのこ類など)を食事に多く取り入れることも、精神衛生に良い影響を与えることができます。

活動的になる

夏の暖かさと長い昼間に元気をもらったなら、そのエネルギーを利用して、やってみたいと思っていた新しいアクティビティをやってみましょう。

季節による感情の揺れ

エネルギーレベルの変動による影響

秋が好きで、涼しい気温、紅葉などが好きな人は、9月末になると飛躍的に幸せな気分になれるかもしれません。

雪がよく降る地域に住んでいたり、1年で最も昼が短い日、そして12月から3月にかけての冬休みが嫌いな人は、冬になると気持ちが急降下してしまうかもしれませんね。

季節性うつ病の診断基準を満たしていなくても、好みや感情は正当なものです。

しかし、季節の高低に翻弄されたくないのであれば、その時期を生活の中にもっとマインドフルネスを取り入れる機会として利用することもできます。

食欲について

食欲について

外が暑いとき、体は最適な体温を維持するために少ないカロリーを必要とします。

一方、寒いときには、体温を保つために、より多くのカロリーを摂取する必要があります。

ミートローフやマッシュポテトなど、でんぷん質の多い食品は、暑い夏よりも寒い冬の方が食べたくなるのは、このためです。

水分の多い食品は体を冷やす作用があるので、スイカやセロリ、葉物野菜などは夏場の方が魅力的かもしれません。

食欲は体内や環境から生じる

特定の季節に特定の食品が欲しくなるもう一つの理由は、旬のものです。

一般的に、旬の食べ物は、作物が最も熟した時期に収穫されるため、より美味しく感じるものです。

食欲の多くは、体内や環境から生じるものであることを認識しましょう。

しかし、氷点下の寒い日にクッキーを食べたくなったら、カロリーや糖分のないクッキーが本当に必要なのか、それとも単においしいから食べたくなるのか、よく考えてみてください。

体内時計の変化

体内時計の変化

体内時計は、一日の長さの変化をモニターしています。

この時計は、いつ目覚め、いつ疲れを感じるかを教えてくれます。

また、代謝、体温調節、ホルモンの分泌、気分にも関与しています。

日照時間の長い夏にはセロトニンが多く分泌され、日照時間の短い冬にはセロトニンが少なくなります。

セロトニンは食べ物には含まれていませんが、鶏肉、肉、乳製品、葉物野菜、豆類など、セロトニンの生成を促進する食品を食べるようにしましょう。

現代生活が体内時計に影響している

セロトニンの生成と体内時計に影響を与えるのは、季節による照明の変化や、実際に浴びる昼間の光量だけではありません。

電灯、コンピューター、スマートフォン、テレビなど、夜間の照明にさらされることで、昼と夜の境界線があいまいになり、気分に影響を与えることが指摘されています。
明るい昼間の光への露出と照明条件が、オフィスワーカーの気分と睡眠活動パターンにどのような影響を与えるかを調べたところ、光は人間の生理、心理、健康関連QOLに大きな影響を与え、さらに仕事のパフォーマンスや仕事への満足度にも影響を与えることがわかりました。

季節に関係なく、体内時計にできるだけ沿った昼夜の過ごし方、環境を意識することが大切です。

おわりに

季節の変わり目は、必ずしもすべての人に同じように影響するとは限りませんが、自分の心の健康に気を配ることは大切です。

もし、暦の上では大きな季節の変わり目で全体的な気分が変化すると感じたら、それが起こっていること、具体的にどんな症状があるのかを認識することが重要です。

そうすれば、気分が落ち込んでいるときに、適切な治療を受けることができます。

季節の移り変わりに喜びを感じるのであれば、ぜひそれを受け入れて思い切り楽しみましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました