暑すぎたり寒すぎたりと不快な室温は十分な睡眠をとれなくなります。睡眠に理想的な気温、睡眠サイクルと体温の関係、最適な睡眠温度を維持する方法など、温度と睡眠に関して紹介します。
睡眠に最適な温度は約19~21度だと言われています。しかし、理想的な睡眠の温度は、使用しているベッドのカバーの種類や、裸で寝るかセミヌードで寝るかなど、個人的な要因によって異なる場合があります。快適な睡眠を得るためには、室温と寝具の組み合わせが重要です。
寝ている時の体温は変化する
体温は日中と睡眠中に変動しています。体温はサーカディアンリズムと関連しています。サーカディアンリズムとは、光と闇への露出に基づき24時間周期で行われる一連の生物学的プロセスです。サーカディアンリズムは、食欲やホルモン分泌など、他の身体機能にも影響を与えています。
健康な睡眠は4つのステージに分類することができます。最初の3ステージはノンレム睡眠です。このうち第2ステージは、深い眠りのために体の動きが鈍くなります。体温が下がり、心拍と呼吸が減少し、眼球運動が停止します。このプロセスは、ノンレム睡眠の第3ステージ、そして最後の段階である深い眠り、徐波睡眠へと続いていきます。
体温はレム睡眠と呼ばれる第4の最終ステージで心拍数や血圧とともに上がります。このステージが終了する頃には、これらの指標は覚醒状態に近いレベルに達していますが、その後、睡眠サイクルが新たに始まり、体温は再び低下します。健康な成人の場合、夜が更けるにつれてレム睡眠期が長くなります。
暑さと寒さが睡眠に与える影響
睡眠中に暑かったり寒かったりすると、夜中に目覚めることが多くなります。裸で寝たり、寝具を使用しない場合は、暑さよりも寒さの方が睡眠に影響を与える可能性があります。衣服や寝具を着たまま眠ると、熱にさらされることで睡眠が妨げられやすくなります。
暑さによる影響
暑くなると深い眠りとレム睡眠の両方が減少し、特に夜の最初の睡眠サイクルで減少し、その後のサイクルでは減少します。暑さの中で数日間眠り続けても、身体はなかなか慣れません。体温を一定に保つために目を覚ます必要がある考えられたりもします。湿度が高いと、この影響はさらに大きくなります。
寒さによる影響
寒くなると深い眠りよりもレム睡眠の時間が多くなる明け方の睡眠に影響があります。パジャマや寝具で十分な睡眠環境を整えれば、寝室の寒さ対策にもなり、その結果、睡眠の妨げを軽減することができます。
しかし、寒くなると心血管系の活動に影響し、成人の自然現象である朝の血圧上昇が高まります。人間の体はレム睡眠中の気温により反応するため、レム睡眠が支配的な夜遅くの睡眠サイクルにおいて、寒さにさらされるとより大きな影響を受けるというのは、このためかもしれません。
最適な睡眠温度を保つ
睡眠の質を高めるには、寝室の温度を快適にすることが重要です。最適な睡眠温度を保つためにできる対策は、以下の通りです。
室温は19度~21度に設定する
この温度帯が睡眠に最も適していると考えられています。この範囲内で暑すぎたり寒すぎたりする場合は理想的な温度に調節してください。
パジャマや寝具の種類を変えてみる
季節に応じて寝具の種類を変えてみるのもよいでしょう。また、パジャマの素材も変えてみましょう。人にもよりますが、綿の寝具よりもウールの寝具を着た方が早く眠りにつける傾向があります。
寝室は風通しをよくする
自然換気は睡眠の質を高めると言われており、特に気候の穏やかな地域では季節の変わり目によく眠れると言われています。また、新鮮な空気のある寝室では、よりよく眠れる傾向があります。
寝る前にシャワーや入浴をする
寝る前にぬるめのお湯でシャワーや入浴をすると、寝つきがよくなり、長く眠れるようになります。このクールダウンは、より深い眠りと全体的な睡眠の質の向上にも関連しています。入浴は寝る1~2時間前がおすすめです。
日差しをさえぎる
ブラインドやシェード、カーテンを閉めれば、暑い季節でも部屋を涼しく保つことができます。また、外が寒いときは、窓を閉めておくと、寝室が温かくなります。
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