仕事と家庭の両立は、多くの人が抱える悩みの一つです。結婚や育児に関して、自分のキャリアやライフスタイルをどう整えるか、職場やパートナーとどうコミュニケーションを取るか、などの課題があります。
今回は、ビジネス心理学の知識やテクニックを活用して、仕事と家庭の両立を実現する方法を紹介します。
ビジネス心理学とは、心理学や脳科学、行動経済学などの「心の科学」を統合して、ビジネスの現場で実務にどう活かすかを研究する学問です。ビジネス心理学を学ぶことで、自分自身や他者の心理や行動を理解し、効果的なコミュニケーションや説得力のあるプレゼンテーションができるようになります。
また、自分の価値観や目標を明確にし、自己管理や時間管理も上手になります。これらのスキルは、仕事と家庭の両立にも役立ちます。具体的には、以下の3つのポイントに注意してみましょう。
- 仕事と家庭の両立は、自分の幸せや成長につながること
- 仕事と家庭の両立には、自分の状況や希望を伝えたり、相手と協力したりすることが必要
- パートナーとコミュニケーションを取る方法として、アサーションとアクティブリスニングがある
- 職場とコミュニケーションを取る方法として、プレゼンテーションと交渉がある
1.自分の価値観や目標を明確にする

仕事と家庭のバランスを考える
仕事と家庭の両立には、自分がどんな仕事がしたいか、どんな家庭が築きたいか、どんなライフスタイルが望ましいかを整理することが必要です。
これらは自分の価値観や目標と密接に関係しています。自分の価値観や目標を明確にすることで、自分に合った仕事の在り方やキャリアプランを探すことができます。
また、自分の価値観や目標に基づいて優先順位をつけることで、時間管理や判断力も向上します。
価値観や目標を明確にする方法
価値観や目標を明確にする方法はいくつかありますが、ここではビジネス心理学でよく使われる「ロジカルシンキング」と「SMART法」を紹介します。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、論理的に思考する方法です。問題や課題を明確に定義し、原因や要因を分析し、解決策や施策を考えるプロセスです。
ロジカルシンキングを使うことで、自分の価値観や目標が何なのか、それらがどういう根拠や背景に基づいているのか、それらを達成するために何が必要なのかを明らかにできます。
SMART法
SMART法とは、目標設定する際に使う方法です。SMARTはSpecific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)の頭文字です。
SMART法を使うことで、自分の目標が具体的で測定可能で達成可能で関連性があり期限があるかどうかを確認できます。これにより、目標の妥当性や現実性を高めることができます。
価値観や目標を明確にする例
仕事と家庭のバランスを考える場合、ロジカルシンキングとSMART法を使って以下のように考えることができます。
ロジカルシンキングの例
- 問題:結婚を機に仕事の在り方を考えたい
- 原因:今まで仕事に打ち込んできたが、結婚したら家庭も大切にしたい
- 要因:職場は残業や出張が多く、結婚後も仕事のペースを変えることが難しい
- 解決策:自分の価値観や目標を明確にし、自分に合った仕事の在り方やキャリアプランを探す
- 施策:パートナーや職場の人とコミュニケーションを取り、柔軟な勤務時間や勤務形態などの調整を交渉する。もし、職場の理解や協力が得られない場合は、転職を検討する。
SMART法の例
- 目標:3年以内に自分に合った仕事の在り方やキャリアプランを見つける
- 具体的:自分に合った仕事の在り方やキャリアプランとは、自分の価値観や目標に沿っていて、仕事と家庭のバランスが取れているもの
- 測定可能:自分の価値観や目標を定量的または定性的に評価し、仕事と家庭のバランスを客観的に測定する指標を設定する
- 達成可能:自分の能力や環境に応じて、現実的な範囲で目標を設定する。必要ならば、スキルアップやネットワーク作りなどの準備をする
- 関連性:自分の価値観や目標は、自分の人生や幸せに直接関係している。仕事と家庭のバランスは、自分だけでなくパートナーや家族にも影響する
- 期限:3年以内に目標を達成するために、中期的な計画と短期的なアクションプランを立てる
2.パートナーとコミュニケーションを取る

パートナーと価値観や期待を共有する
仕事と家庭の両立には、パートナーと価値観や期待を共有することが重要です。パートナーと価値観や期待を共有することで、互いに理解し合い、尊重し合うことができます。
また、パートナーと価値観や期待を共有することで、家事や育児などの役割分担やサポート方法を話し合うことができます。これにより、負担感や不満感を減らし、協力的な関係を築くことができます。
パートナーと価値観や期待を共有する方法
パートナーと価値観や期待を共有する方法はいくつかありますが、ここではビジネス心理学でよく使われる「アサーション」と「アクティブリスニング」を紹介します。
アサーション
アサーションとは、自分の感情や意見を相手に伝える方法です。アサーションを使うことで、自分の気持ちや考えを正直に表現し、相手に対しても尊敬や配慮を示すことができます。
アサーションを使う際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- 自分の感情や意見を「私は~だと思います」「私は~が好きです」などの一人称で述べる
- 自分の感情や意見の根拠や理由を具体的に説明する
- 相手の感情や意見を否定せず、受け入れる姿勢を示す
- 相手に対して要求や提案をする場合は、相手の立場や状況を考慮し、相手に選択肢を与える
アクティブリスニング
アクティブリスニングとは、相手の話を聞く方法です。アクティブリスニングを使うことで、相手の気持ちや考えを理解し、共感や信頼を築くことができます。
アクティブリスニングを使う際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- 相手の話に集中し、目線や表情などで聞いていることを示す
- 相手の話を要約したり、質問したり、感想を述べたりしてフィードバックする
- 相手の感情や意見に共感したり、励ましたり、褒めたりする
- 相手の話を切らなかったり、批判しなかったり、自分の話に持っていかなかったりする
パートナーと価値観や期待を共有する例
仕事と家庭の両立に関してパートナーとコミュニケーションを取る場合、アサーションとアクティブリスニングを使って以下のように話すことができます。
アサーションの例
Aさん:私は仕事も家庭も大切にしたいと思っています。仕事は自分の能力や興味を発揮できる場所であり、家庭は自分の居場所や支えです。だから、どちらも犠牲にしたくないんです。でも、今の職場では残業や出張が多くて、家庭との時間が少ないです。それがストレスになっています。あなたはどう思いますか?
Bさん:私も仕事も家庭も大切だと思います。私は仕事が好きで、自分の専門性や責任感を高めたいです。でも、家庭も愛しています。あなたと一緒に過ごす時間や将来の子どもたちと過ごす時間も楽しみです。私も今の職場では残業が多くて大変です。それが不安になっています。
Aさん:私たちは同じような価値観や期待を持っているんですね。それならば、一緒に仕事と家庭のバランスを考えてみませんか?例えば、職場に柔軟な勤務時間や勤務形態を提案してみたり、家事や育児の役割分担やサポート方法を話し合ったりしましょう。もし、それでも解決しない場合は、転職も視野に入れてみましょう。どうですか?
Bさん:そうですね。私たちは一緒に仕事と家庭のバランスを考えるべきです。あなたの提案は良いと思います。職場に柔軟な勤務時間や勤務形態を提案するのは少し勇気がいりますが、試してみたいです。家事や育児の役割分担やサポート方法も話し合いましょう。転職も可能性として考えておきましょう。ありがとう。
アクティブリスニングの例
Aさん:私は仕事も家庭も大切にしたいと思っています。仕事は自分の能力や興味を発揮できる場所であり、家庭は自分の居場所や支えです。だから、どちらも犠牲にしたくないんです。でも、今の職場では残業や出張が多くて、家庭との時間が少ないです。それがストレスになっています。
Bさん:仕事も家庭も大切にしたいと思っているんですね。仕事は自分の能力や興味を発揮できる場所であり、家庭は自分の居場所や支えだと感じているんですね。でも、今の職場では残業や出張が多くて、家庭との時間が少なくてストレスになっているんですね。(要約)
Aさん:そうなんです。あなたはどう思いますか?
Bさん:私も仕事も家庭も大切だと思います。私は仕事が好きで、自分の専門性や責任感を高めたいです。でも、家庭も愛しています。あなたと一緒に過ごす時間や将来の子どもたちと過ごす時間も楽しみです。私も今の職場では残業が多くて大変です。それが不安になっています。 Jさん:私たちは同じような価値観や期待を持っているんですね。
Bさん:そうですね。私たちは同じような価値観や期待を持っていますね。(共感)
Aさん:それならば、一緒に仕事と家庭のバランスを考えてみませんか?例えば、職場に柔軟な勤務時間や勤務形態を提案してみたり、家事や育児の役割分担やサポート方法を話し合ったりしましょう。もし、それでも解決しない場合は、転職も視野に入れてみましょう。
Bさん:一緒に仕事と家庭のバランスを考えてみたいですね。(感想)
職場に柔軟な勤務時間や勤務形態を提案するのはどういう内容でしょうか?(質問)
家事や育児の役割分担やサポート方法も話し合いましょう。(同意)
転職も可能性として考えておきましょう。(受容)
AさんとBさんは、仕事と家庭の両立についてパートナーとコミュニケーションを取ることができました。アサーションとアクティブリスニングを使って、互いの価値観や期待を共有し、協力的な関係を築くことができました。
しかし、パートナーとのコミュニケーションだけでは、仕事と家庭の両立は実現できません。職場とのコミュニケーションも重要です。次に、職場とのコミュニケーションについて見ていきましょう。
3.職場とコミュニケーションを取る

職場とコミュニケーションを取ることは、仕事と家庭の両立にとって重要です。職場とコミュニケーションを取ることで、自分の状況や希望を伝えたり、柔軟な勤務時間や勤務形態などの調整を交渉したり、自分のキャリアや能力に対する評価や信頼を高めたりすることができます。
しかし、職場とコミュニケーションを取ることは、簡単ではありません。職場には、自分と異なる利害や立場の人が多くいます。また、職場には、自分の状況や希望に理解や協力を示さない人もいるかもしれません。そこで、職場とコミュニケーションを取る際には、「プレゼンテーション」と「交渉」という2つのスキルが必要です。
プレゼンテーション
プレゼンテーションとは、自分の考えや提案を相手に伝えるスキルです。プレゼンテーションを使うことで、自分の状況や希望を明確にし、相手に理解してもらうことができます。プレゼンテーションを使う際には、結論から述べたり、根拠や理由を具体的に説明したり、メリットやデメリットを比較したり、相手の反応や質問に対応したりすることが大切です。
プレゼンテーションを使う際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- 自分の状況や希望を結論から述べる(PREP法)
- 自分の状況や希望の根拠や理由を具体的に説明する(ロジカルシンキング)
- 自分の状況や希望のメリットやデメリットを比較する(コスト・ベネフィット分析)
- 自分の状況や希望に対する相手の反応や質問に対応する(アサーション・アクティブリスニング)
交渉
交渉とは、自分と相手の利害が一致しない場合に、双方が納得できる合意点を探すスキルです。交渉を使うことで、自分の状況や希望を実現するために、相手と協力的な関係を築くことができます。交渉を使う際には、自分と相手の利害や立場を把握したり、共通点や目標を見つけたり、要求や提案を明確にしたり、譲歩や妥協を行ったりすることが大切です。
交渉を使う際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- 自分と相手の利害や立場を把握する(BATNA法)
- 自分と相手の共通点や目標を見つける(ウィン・ウィン戦略)
- 自分と相手の要求や提案を明確にする(オプション法)
- 自分と相手の譲歩や妥協を行う(ゾーン・オブ・ポッシブル・アグリーメント)
まとめ
仕事と家庭の両立に関心がある人に向けて、ビジネス心理学の知識をもとに、以下の3つのポイントについてお話ししました。
- 仕事と家庭の両立のメリットとデメリット
- パートナーとコミュニケーションを取る方法
- 職場とコミュニケーションを取る方法
これらのポイントを理解することで、仕事と家庭の両立を可能にすることができます。
おわりに
仕事と家庭の両立は、多くの人が抱える課題です。仕事と家庭の両立に成功することは、自分の幸せや成長につながります。しかし、仕事と家庭の両立には、自分の状況や希望を伝えたり、相手と協力したりすることが必要です。そのためには、プレゼンテーションや交渉などのコミュニケーションスキルが重要です。コミュニケーションスキルを身につけて、仕事の両立を目指しましょう。
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